遺言公正証書の作成件数が増加しています

相続税の課税対象者を広げる改正相続税法が、平成27年1月に施行され、遺産分割で親族同士がもめる争族を防ぐ手段として、遺言公正証書の作成件数が増加しています。遺言公正証書の作成件数は、平成30年に11万件を超えて、今後も更に増加が見込まれています。背景には、高齢者が増え続けていることに加え、遺言に対する世間の認知が促進していることが要因だと考えられます。

ただし、遺言は遺言者(遺言をのこしたい人)の真意を確実に実現するため、厳格な方式が定められており、その方式に従わない遺言はすべて無効となりますので注意が必要です。また、遺言者の最終意思の保護を図るため、遺言の撤回や変更は何度でも可能です。

遺言の活用方法としては、例えば下記のような事例下記の挙げられます。

1.法定相続人以外の方に財産を遺贈したい

2.法定相続人として、妻と兄弟がいるが、妻に全ての財産を相続させたい

3.法定相続人として、妻と父母がいるが、妻に全ての財産を相続させたい

4.遺言がないと、法定相続人間でもめる可能性があるので、あらかじめ遺言書を作成して相続配分を定めておきたい

5.子どもに対し、妻の将来の面倒をみる条件として財産を多く相続させたい

6.未成年者の子どもに財産を相続させたい

7.献身的に介護してくれた長女に財産を多く相続させたい

8.障害のある子どもに多く財産を遺したい

9.亡くなった後、ペットの世話を友人に任せることを条件として、財産を遺贈したい

上記はあくまで一例です。遺言公正証書の活用方法など疑問点がございましたら、当事務所までご相談ください。

遺言公正証書の作成には、遺言に立会いする証人2名が必要です。原則として、遺言者から財産をもらう方は証人にはなれません。当事務所では証人の引き受け業務も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

遺言は相続トラブルを未然に防止する

〜こんなケースでは遺言書をつくりましょう〜

 

● 長男の嫁がよく看病をしてくれた。

 長男の配偶者には相続権がない。苦労に報いたいのであれば遺言書をつくりましょう。

● 50年連れ添った伴侶がいるが、入籍をしていない。

 内縁関係にある場合は、相続権がない。生活の保障という意味でも遺言は必要です。

● 愛人に子どもをつくってしまい、まだ小さいので将来が心配だ。

 非嫡出子を認知したり、既に認知をした非嫡出子に法定相続割合を超えて資産を多く残したい場合には遺言が有効です。

● 先祖代々の土地なので、相続により分割されるのはしのびない。

 事業を承継する者への事業用資産や土地、建物など分割しにくい特定の資産を、誰に相続させたいのかを具体的に指定する場合は遺言書をつくりましょう。

● 先妻との間の子どもに、遺産を残してあげたい。

 先妻の子でも子には変わらないので相続権があるが、とかくもめごとの火種になりがち。遺言で分割の指定があったほうがスムーズにすすみます。

● 周囲にいつも迷惑をかけているドラ息子がいる。財産を相続させたくない。

 遺言で特定の相続人の相続廃除の意思表示をすることができます。

● 相続人がいないので、自分の死後は財産を地域のために役立ててほしい。

 相続人がいない場合には、あらかじめ財産の使い道を遺言で指定しておきましょう。

● 障害のある子どもがおり、自分の死後も安心して生活できるように、後見人を決めておきたい。

 子どもの財産を管理する後見人の指定は遺言できちんとしておきましょう。

● 言葉では言い尽くせないくらい世話になった恩人がいる。せめて感謝の気持ちを伝えたい。

 遺言をすることにより、相続人ではない人にも自分の財産を譲与することができます。

 

 

  

 

遺言の種類

1. 自筆証書遺言

 遺言者自らの手で遺言の全文と日付を書き、署名・押印します。

 メリット・・・証人を依頼したり、公証人の手を煩わすことなく作成できる。

        遺言の存在そのものを秘密にしておける。

 デメリット・・・遺言が発見されなかったり、偽造されるおそれがある。

         家庭裁判所の検認が必要。

 

2. 公正証書遺言

 遺言者の口述を公証人が筆記し、その内容を遺言者、証人の前で読み上げ全員で書名・押印する。なお、口がきけない者は手話通訳者の通訳または自書します。

 メリット・・・公証人が作成するため、法律上の不備がない。

        証拠力が高く、死後の裁判所による検認は不要。

        公証人役場に原本が保管されるので偽造・隠匿などの心配もない。

 デメリット・・・自筆証書遺言と比較し、費用がかかる。

 

3. 秘密証書遺言

 遺言者が遺言を作成、封印し、自分の遺言である旨を証人立会いのもと公証人に申述する。なお、口がきけない者は手話通訳による申述または封紙に自書します。

 メリット・・・遺言の存在を明確にしつつ、その内容の秘密を保てる。

        遺言の存在が公証されているので、偽造・隠匿の心配がない。

        遺言自体はワープロや代筆でもかまわない。

 デメリット・・・作成手続きが煩雑で、費用がかかる。

          家庭裁判所の検認が必要。

          署名は自書が要件となる。

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